日本酒の分類|特定名称酒8種類と製法による分類を完全整理
日本酒には多くの分類があり、ラベルに記載された名称を見ても違いがわかりにくいと感じる方は多いかもしれません。実は日本酒は法律で厳密に分類されており、原料・精米歩合・製法によって体系的に整理されています。この記事では、日本酒の分類を特定名称酒・火入れ・加水・濾過の4つの軸で整理し、

よつば
2026年5月4日

日本酒には多くの分類があり、ラベルに記載された名称を見ても違いがわかりにくいと感じる方は多いかもしれません。実は日本酒は法律で厳密に分類されており、原料・精米歩合・製法によって体系的に整理されています。この記事では、日本酒の分類を特定名称酒・火入れ・加水・濾過の4つの軸で整理し、それぞれの違いをわかりやすく解説します。
日本酒の大分類|特定名称酒と普通酒
日本酒はまず「特定名称酒」と「普通酒」の2つに大きく分けられます。
特定名称酒とは、原料や精米歩合、製造方法が国税庁の定める基準を満たし、特定の名称を表示できる日本酒のことを指します。純米酒や吟醸酒など、ラベルに具体的な名称が記載されているお酒です。
普通酒は特定名称酒の基準を満たさない日本酒で、市場に流通する日本酒の約7割を占めるとされています。手頃な価格で日常的に楽しめる日本酒の主力です。
特定名称酒の8種類
特定名称酒には以下の8種類があり、原料と精米歩合によって細かく分類されています。
純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、特別純米酒、本醸造酒、特別本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒の8種類です。
これらは大きく「純米系」と「醸造系(醸造アルコール添加)」の2グループに分けられます。
純米系の特定名称酒
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純米系の日本酒は、米・米麹・水のみを原料として造られています。醸造アルコールを一切添加していないため、米由来の旨味が豊かに感じられます。
純米酒
純米酒は米・米麹・水のみで造られた日本酒で、精米歩合の規定はありません(2004年の改正で撤廃)。米の旨味とコクが豊かで、ふくよかな味わいが楽しめます。
純米吟醸酒
純米吟醸酒は、精米歩合60%以下の米を使用し、吟醸造りで醸造された純米酒です。フルーティーで華やかな香りと、すっきりとした飲み口が特徴です。
純米大吟醸酒
純米大吟醸酒は、精米歩合50%以下の米を使用し、より丁寧な吟醸造りで仕上げられた最高級の純米酒です。繊細で上品な香りと、雑味のない滑らかな味わいが楽しめます。
特別純米酒
特別純米酒は、精米歩合60%以下、または特別な製造方法で造られた純米酒です。蔵元独自のこだわりが反映された個性的な一本に出会えます。
醸造アルコール添加の特定名称酒
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醸造系の日本酒は、米・米麹・水に少量の醸造アルコールを加えて造られています。香りを引き立てたり味わいをすっきりさせたりする効果があります。
本醸造酒
本醸造酒は、精米歩合70%以下の米を使用し、米・米麹・水に少量の醸造アルコールを添加して造られた日本酒です。すっきりとしたキレのある飲み口が特徴で、燗酒としても楽しめます。
特別本醸造酒
特別本醸造酒は、精米歩合60%以下、または特別な製造方法で造られた本醸造酒です。本醸造酒よりもより洗練された味わいが楽しめます。
吟醸酒
吟醸酒は、精米歩合60%以下の米を使用し、吟醸造りで醸造された日本酒です。少量の醸造アルコール添加により、フルーティーな吟醸香がより際立つ造りになっています。
大吟醸酒
大吟醸酒は、精米歩合50%以下の米を使用した最高級の吟醸酒です。華やかな香りとすっきりとした飲み口で、贈答品としても人気があります。
火入れの有無による分類
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日本酒は出荷前に「火入れ(加熱殺菌)」を行うのが一般的ですが、火入れの有無やタイミングによっても分類されます。
生酒(なまざけ)
生酒は火入れを一切行わない日本酒です。絞りたての鮮烈な香りと味わいが楽しめますが、要冷蔵で保存性は低いお酒です。
生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)
生貯蔵酒は、貯蔵時は火入れせず、出荷前に1回火入れする日本酒です。生酒に近いフレッシュ感と、安定した品質を両立しています。
生詰め酒(なまづめしゅ)
生詰め酒は、貯蔵前に1回火入れし、瓶詰め前は火入れしない日本酒です。「ひやおろし」「秋上がり」など秋出荷の銘柄に多く、夏越しの熟成感とフレッシュさを兼ね備えています。
二度火入れ酒
通常の日本酒は、貯蔵前と出荷前の2回火入れを行います。最も保存性が高く、流通している日本酒の大半がこのタイプです。
加水の有無による分類
日本酒は出荷前に水を加えて度数調整するのが一般的ですが、加水しない日本酒もあります。
原酒
原酒は加水を一切行わない日本酒で、アルコール度数は17〜20%と高めです。米の旨味が凝縮された濃厚な味わいが楽しめます。
加水酒
加水酒(一般的な日本酒)は、出荷前に水を加えて15〜16%程度のアルコール度数に調整した日本酒です。飲みやすい度数と安定した味わいが特徴で、市場の大半を占めます。
濾過の有無による分類
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日本酒は搾った後に活性炭などで濾過するのが一般的ですが、濾過しない日本酒もあります。
無濾過酒
無濾過酒は濾過工程を省略した日本酒で、うっすらとした黄色い色味と複雑な風味成分が残ります。蔵元のこだわりが強く反映される個性的な一本です。
濾過酒
濾過酒(一般的な日本酒)は活性炭などで濾過して透明感のある液体に仕上げた日本酒です。雑味が抑えられ、すっきりとした味わいになります。
複合的な分類の例
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これらの分類は組み合わせることが可能で、複合的な名称が付けられた日本酒もあります。
「純米吟醸 無濾過生原酒」は、純米吟醸酒のうち、濾過・火入れ・加水のすべてを省略したお酒です。蔵元の個性が最大限に表現された一本といえます。
「特別純米 ひやおろし」は、特別純米酒のうち、貯蔵前のみ火入れし、夏を越して熟成させたお酒です。秋限定で楽しめる季節の味わいです。
ラベルに複数の分類名称が記載されている日本酒は、それだけ手の込んだ製法で造られていることを意味します。
まとめ
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日本酒の分類は、原料と精米歩合による「特定名称酒8種類」と、火入れ・加水・濾過の有無による分類の組み合わせで体系化されています。純米酒・吟醸酒・大吟醸酒などの特定名称酒に、生酒・原酒・無濾過酒などの製法分類が組み合わさることで、日本酒の多彩な世界が広がります。
ラベルの名称を理解できるようになると、日本酒選びがぐっと楽しくなります。自分の好みに合う分類を知った上で、新しい一本を選んでみてください。日本酒の奥深い分類体系を理解することは、日本酒愛好家への第一歩となります。
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